教皇

The Hierophant

伝統, 信仰

クイックアンサー

教皇の核心的な意味は精神的な導きです。正位置は通常伝統、信仰、教育、精神的な導き、共同体への帰属。既存の社会規範に従うこと、あるいは伝統的な知恵に助けを求めることを象徴しますを示し、逆位置は通常伝統への挑戦、非主流の信念、偽善的な助言、反抗。常識を打ち破ること、あるいは教条主義の束縛に直面していることを表すことがありますを示唆します。

カードの絵柄

三重の法衣をまとった教皇が二本の石柱の間に座り、三重冠を戴き、左手に三重十字の杖を持ち、右手で祝福の印を結んでいます。足元には交差した二本の鍵があり、目の前には二人の信徒がひざまずいています。

正位置の意味

伝統、信仰、教育、精神的な導き、共同体への帰属。既存の社会規範に従うこと、あるいは伝統的な知恵に助けを求めることを象徴します。

逆位置の意味

伝統への挑戦、非主流の信念、偽善的な助言、反抗。常識を打ち破ること、あるいは教条主義の束縛に直面していることを表すことがあります。

恋愛・仕事・金銭・成長

恋愛

恋愛において教皇が示すのは精神的な導きです。いまの関係を、実際のやり取りと二人の選択に照らして見直してください。

仕事

仕事において教皇が示すのは精神的な導きです。まず自分が動かせる資源と、次の一手を見きわめましょう。

金銭

金銭において教皇が示すのは精神的な導きです。象徴の解釈を投資判断にしないこと。事実と予算、そして自分が引き受けられるリスクを基準にしてください。

自己成長

自己成長において教皇が示すのは精神的な導きです。そこで浮かんだ問いを書き出し、検証できる行動に変えましょう。

相手の気持ち

教皇が相手の気持ちに出たときは、精神的な導きという構えとして読みます。正位置なら素直に外へ向き、逆位置なら本人の中で止まっていると見ます。断定はせず、実際のやり取りと照らして確かめてください。

イエス / ノー

正位置

イエス

逆位置

保留

これはカードの意味の傾きにもとづく、当サイトなりの手早い読みです。同じカードでも流派によって判定は分かれますし、「保留」はスプレッドでの位置と実際の状況に照らして判断すべきもので、一言で片づけられる答えではありません。

ウェイト原典(1911年)

内的象徴(原書)

He wears the triple crown and is seated between two pillars, but they are not those of the Temple which is guarded by the High Priestess. In his left hand he holds a scepter terminating in the triple cross, and with his right hand he gives the well-known ecclesiastical sign which is called that of esotericism, distinguishing between the manifest and concealed part of doctrine. It is noticeable in this connection that the High Priestess makes no sign. At his feet are the crossed keys, and two priestly ministers in albs kneel before him. He has been usually called the Pope, which is a particular application of the more general office that he symbolizes. He is the ruling power of external religion, as the High Priestess is the prevailing genius of the esoteric, withdrawn power. The proper meanings of this card have suffered woeful admixture from nearly all hands. Grand Orient says truly that the Hierophant is the power of the keys, exoteric orthodox doctrine, and the outer side of the life which leads to the doctrine; but he is certainly not the prince of occult doctrine, as another commentator has suggested.

He is rather the summa totius theologiæ, when it has passed into the utmost rigidity of expression; but he symbolizes also all things that are righteous and sacred on the manifest side. As such, he is the channel of grace belonging to the world of institution as distinct from that of Nature, and he is the leader of salvation for the human race at large. He is the order and the head of the recognized hierarchy, which is the reflection of another and greater hierarchic order; but it may so happen that the pontiff forgets the significance of this his symbolic state and acts as if he contained within his proper measures all that his sign signifies or his symbol seeks to show forth. He is not, as it has been thought, philosophy—except on the theological side; he is not inspiration; and he is not religion, although he is a mode of its expression.

原書の正位置の意味

Marriage, alliance, captivity, servitude; by another account, mercy and goodness; inspiration; the man to whom the Querent has recourse.

原書の逆位置の意味

Society, good understanding, concord, over-kindness, weakness.

A. E. Waite『The Pictorial Key to the Tarot』(1911年、挿絵 Pamela Colman Smith)より引用。原文はパブリックドメインです。

神話と象徴の由来

絵は教皇なのに、札名はギリシアのエレウシス秘儀の主祭の称号——名前を替えたのはウェイトです。

図像の史実

現存する実物や文献で裏づけられる

絵に描かれているのは教皇そのもの

初期のイタリアのカードでこの札は Il Papa、教皇と呼ばれ、女教皇と対をなします。図像の要素はすべてカトリックの制度の標準装備です。三重冠、三重十字の杖、足元で交差する鍵——この鍵は『マタイによる福音書』16:19 でペトロに渡される天国の鍵に由来します。ウェイト自身もこう書いています。「彼は通常、教皇と呼ばれる」。

出典 初期イタリア・タロットの札名 Il Papa。『マタイによる福音書』16:19(天国の鍵)。ウェイト 1911 年の原書

Hierophant という語はギリシア由来

「教皇」を Hierophant と改名したのは、ウェイトの世代のやり方です。この語はギリシア語の ἱεροφάντης、字義は「聖なるものを示す者」。エレウシス秘儀(Eleusinian Mysteries)を主宰する祭司の正式な称号で、その秘儀の中核の神話こそデメテルとペルセポネです。つまりこのカードには本物のギリシアの手がかりが確かに一本あるのですが、それは図像の中ではなく札名の中にあり、しかも接がれたのは十九世紀末のことです。

出典 ἱεροφάντης はエレウシス秘儀の主祭の称号。札名の改変はウェイト 1911 年の原書を参照

秘伝の対応

出典のある伝統的な説だが、秘教体系の内部で構築されたもの

牡牛座と、制度の重み

ゴールデン・ドーンは教皇を牡牛座(ヘブライ文字 Vau)に対応させました。揺るがず、重みを受け止め、ゆっくりとして変わらない語感はここから来ており、「制度宗教の統べる力」という位置づけと響き合います。

出典 ゴールデン・ドーン『Book T』の星座対応

現代の解釈

二十世紀以降に広まった読み方で、カードの成り立ちとは無関係

「霊的な導師」と読むと向きが逆になる

現代ではこのカードをしばしば「グル、霊的な導師、内なる権威」と読みます。ウェイトの原文の性格づけはちょうど逆です。教皇は「外的宗教の統べる力」であり、女教皇が体現する「秘教的で隠遁的な力」と対をなす、と彼は言い、「彼は秘教教義の君主である」という他人の説をはっきり否定しています。つまりこのカードが司るのは制度・公の教義・定められた手続きであって、個人の霊的な導き手ではありません。

出典 現代の通俗的解釈。ウェイト 1911 年の原書は同じ項で「秘教教義の君主」という読みを否定しています

本節は引用ではなく、当サイトが独自にまとめた由来解説です。各項目に信頼度の層を示しています。現代解釈の層はカードの歴史的な成り立ちとは関係ありません。

体系的に学ぶ:神話と象徴の由来(アカデミー第六章)

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