タロットの3大主流タイプ

タロットカードは決して一種類だけではありません。絵柄のスタイル、象徴体系、そして背後にある哲学によって、主にマルセイユ・タロット(Marseille Tarot)、ウェイト版タロット(Rider-Waite-Smith Tarot)、**トート・タロット(Thoth Tarot)**の3つのタイプに分けられます。これら以外にも無数の派生体系が存在しますが、その多くはこの3つのいずれかをルーツとしています。
1. マルセイユ・タロット:最も古き良き古典

マルセイユ・タロットは15世紀のイタリアに起源を持ち、後にフランスのマルセイユ地方の印刷業者によって標準化された、現代タロットの鼻祖とも言える体系です。その特徴は以下の通りです:
- 小アルカナに絵がない:数札(数札)には、象徴となるシンボル(ソード、カップなど)の数だけが描かれており、物語的な情景はありません。そのため、占者の直感や数秘術的な解釈が重要視されます。
- 大アルカナの素朴なスタイル:赤、黄、青、緑を基調とした色使いで、線はシンプルです。人物の表情は抽象的で、中世の錬金術や神秘学的な隠喩に満ちています。
- 適した人:直感的なリーディングを好む方、伝統的な象徴学を学びたい方、あるいは「絵の状況」に頼りすぎない解釈を身につけたい中・上級者。
2. ウェイト版タロット:最も普及している現代のスタンダード

1909年に神秘学者のアーサー・エドワード・ウェイト(A. E. Waite)が考案し、画家のパメラ・コールマン・スミス(Pamela Colman Smith)が描いたこのカードは、小アルカナにも完全な絵シーンが描かれた最初のタロットです。その革新性は以下の点にあります:
- 強力なストーリー性:すべての小アルカナに具体的な場面が描かれています。例えば「ソードの3」では3本の剣が心臓を貫き、「カップの6」では子供が花を贈る様子が描かれ、カードの意味が直感的に伝わります。
- 統一された象徴体系:カバラ、占星術、神聖幾何学が融合されていますが、絵柄そのものは非常に分かりやすく表現されています。
- 適した人:初心者、相談者に詳しく説明する必要があるプロの占い師、視覚的なイメージから連想するのが得意な方。
3. トート・タロット:神秘学の集大成
イギリスの神秘家アレイスター・クロウリー(Aleister Crowley)が考案し、画家のフリーダ・ハリス(Lady Frieda Harris)が1930年代に描き上げた体系です。その特徴は以下の通りです:
- 絢爛豪華で抽象的な絵柄:色彩は鮮やかで線は流動的。エジプト神話、占星術の記号、錬金術、カバラのパス(小径)などの要素が凝縮されています。
- 独自のカード構成と名称:例えば「力」が「欲望(Lust)」に、「正義」が「調整(Adjustment)」に変更されています。また、小アルカナのコートカードも「騎士、女王、王子、王女」という構成になっています。
- 適した人:魔術、占星術、神秘学を深く研究したい学者肌の方、複雑な象徴をじっくりと時間をかけて理解したい上級者。
その他注目すべきタロットの種類
4. 黄金の夜明け団タロット(Golden Dawn Tarot)
秘密結社「黄金の夜明け団」の密伝体系に厳格に従ったタロットです。カードにはヘブライ文字や惑星記号が散りばめられており、トート・タロットの前身とも言えます。神秘学研究者に適しています。
5. ルノルマンカード(Lenormand)
タロットと混同されることが多いですが、ドイツ系の別のシステムです。全36枚で、船、狐、家といった日常生活に近い象徴が描かれており、具体的な出来事の予測を得意とします。
6. モダンアート&テーマタロット
『キャット・タロット』『神話タロット』『フェアリー・タロット』など、ウェイト版やマルセイユ版をベースに芸術的なアレンジを加えたものです。コレクション用や特定のテーマでのリーディングに適しています。
自分に合ったタロットをどう選ぶ?
- 初心者の方:まずはウェイト版がおすすめです。絵柄が分かりやすく、学習リソースも最も豊富です。
- 伝統を重んじる方:マルセイユ版を選んでみてください。直感と数秘術のトレーニングになります。
- 深い体系を求める方:もしカバラや占星術の知識があるなら、トート・タロットが新しい世界を開いてくれるでしょう。
- フィーリング重視:直感を信じて、「一目惚れ」したアートワークのカードを選んでみるのも良いでしょう。
結語
タロットのタイプの違いは、優劣ではなく「言語体系」の違いです。マルセイユ版は古の詩、ウェイト版は現代の寓話、トート版は壮大な交響曲のようです。どのデッキを選んでも大切なのは、カードを通して内なる知恵と対話することです。あなたが探索の過程で、運命の一枚に出会えることを願っています。
